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無意識とユング心理学

普段誰しもがよく使う「無意識」という
言葉ですが、実はこれは心理学で
使われている専門用語なのです。

 

無意識

「意識する」という言葉も普段から
使われているので意味が分かると
思います。

では「無意識」な状態というものを
正確に説明できる人はいったい
どれほどいるでしょうか?

人間は集団で行動するようになってから
社会という枠組みを作り
そこで多くの人と関わり合いながら
生きています。

普段人間が生活している時は人に
合わせた発言をしてみたり、
枠組みの中であまり他者に
迷惑がかからない程度に自由に生き、
なるべく変な奴だと思われないように
気を付けるものです。

つまり人間は多少なりとも本当の欲求を
抑えながら他者に合わせて生きていて、
例えば酒を飲んだ時に性格が
急変してしまうような人は、
その時その人の無意識な状態が
出たといえます。

普段色々な事を意識しながら
生活している状態と無意識な状態と
ギャップが大きければ大きいほど、
その人は大きなストレスを
抱えているといえます。

 

個人的無意識とは?

無意識というのが
「抑圧されていないありのままの意識」
ということがなんとなくわかったかと
思いますが、
では個人的無意識というのは
先ほどまであった無意識というのと
一体どう違うのでしょうか?

個人的無意識という言葉は、
心理学の中でも特定の分野で
使われているもので、
ユング心理学といいます。

 

ユング心理学とは

ユング心理学とは、C.G.ユングという
心理学者が彼の師にあたる
S.フロイト博士という人の理論を
もとに彼が独自に作り上げたもので、
その理論の特徴は「意識」と「無意識」が
中心にあるというのです。

C.G.ユング

カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)は、スイスの精神科医・心理学者。
ブロイラーに師事し深層心理について研究、分析心理学(ユング心理学)を創始した。

wikipediaより引用

無意識の役目というのは、
自分の行動や考えなどを制御してきた
意識というものを解放させてくれたり、
ストレスが溜まってきたときに
教えてくれるサインにもなるのです。

個人的無意識というのは、
過去のトラウマなどや経験などによって
できた思考、癖などの無意識です。
他人の無意識と大きく違っていることも
あります。

そして集合的無意識というのは、
個人の経験による無意識ではなく、
国民性や人種による影響よりもはるか
昔から遺伝子に刻み込まれている
人類共通の無意識といえます。
それは動物としての本能ともいえるでしょう。

例えばリスが拾った木の実を土の中に
隠したり、クマが誰に教わるでもなく
冬眠をしたりと、
高等な動物には記憶はありますが、
未来について考えることができるのは
人間にのみ備わっている力で、
動物は未来を見通すこともなく
ただ本能のままに生存確率が
高くなるような行動をしているのです。
これが集団的無意識といえます。

人間の歴史でも、通信手段や海を渡る
移動手段がない時代から世界各地で
同じような建造物が見られたり、
太陽や海を神として崇めたりと
似たような文化が数多く残っています。

人類は何度も生まれ変わり、
時代や世界は変われど、
人間の本質は古代から今に至るまで
変わってはいないということを
ユング心理学では主張しているのです。